Shadowsocks レビュ 2024: 買うだけの価値がありますか？

Shadowsocksの速度はレンタルサーバー次第

Shadowsocksには独自のサーバーがないため、レンタルするサーバーによって速度が異なります。Shadowsocksを利用して4台のDigitalOceanサーバー（ニューヨーク、サンフランシスコ、シンガポール、ロンドン）をテストしたところ、全体的に良好な速度を得られました。

プロキシサーバーの多くは十分高速ですが、サーバーのパフォーマンスは状況によって異なることに留意することが重要です。そのため、私が高速接続を得られたサーバーが、あなたにも同様に機能するとは限りません。それを知る唯一の方法はテストすることです。多くの場合、サーバーが遠く離れた場所にあると速度低下します。また、多くの人が同時に同じサーバーを利用して過密が生じたために減速する可能性もあります。

Shadowsocksでは、必要なサーバーごとにレンタルする必要があります。複数のサーバーをレンタルすると費用がかかるので、VPNの方が費用効率があると思います。トップクラスのVPNには、すぐに接続できる数百または数千台ものサーバーがあり、容易に切り替えられるので、追加料金が発生しません。また、通常、VPNには非常に大規模なサーバーネットワークがあるため（過密が少ないため）、速度も大幅に向上します。

速度テストの結果

Shadowsocksを利用して 4台のサーバーをテストしたところ、全体的に良好な速度が得られました。ベース速度は7.59Mbpsでしたが、Shadowsocksで様々なサーバーを利用した際、平均速度は6.68Mbpsまでしか下がりませんでした。わずか11%の速度低下で、非常に印象的です。

遠く離れたサーバーと最寄りのサーバーをテストして、違いが生じるかを確かめました。ロンドンのサーバーは現在地から遠く離れているため、速度が大幅に低下したのは驚きませんでしたが、シンガポールのサーバーをテストした際、テストしたあらゆるサーバーの中で最も高速でした。このサーバーが最も遠く離れていたことを考えると、これには混乱しました。

Shadowsocksはトラフィックを隠す代わりに、データを空白に見せます。つまり、トラフィックを隠せるほどの多くの暗号化プロトコル層が必要ないため、従来型のVPNよりもはるかに高速になる可能性があります。VPN でShadowsocksを利用すると速度が向上するのかどうか疑問に思い、実際にテストしてみましたが、速度は向上しませんでした。速度が向上しないか、向上しても2%未満のみでした。

速度テストの結果には満足しましたが、Shadowsocksで別のサーバーに接続している際にping値 がいかに増加したかを見てがっかりしました。ping値は、データがサーバーを介して送信され、デバイスに戻るまでにかかる時間をいい、ping値が低いほど優れています。ゲームをプレイする場合は、ping値が20ミリ秒未満でなければなりません。私の普段のping値は3ミリ秒ですが、サーバーに接続すると平均して273ミリ秒増加し、かなり速度低下しました。

速度テスト中に、サーバーが本来あるべき場所に配置されていないことに気付きました。速度テストツールによって、ニューヨークのサーバーは実際にはニュージャージー州にあり、サンフランシスコのサーバーはカリフォルニア州サンタクララにあることがわかりました。実際のIP アドレスは漏洩していなく、サーバーの場所が本来あるべき場所に十分近いようだったので、あまり心配していませんでしたが、誤ったラベルが付けられているのは奇妙に感じました。

サーバーネットワーク – Shadowsocksにはサーバーネットワークがない

Shadowsocksに接続するには、サードパーティのサーバーをレンタルするか購入する必要があります。Shadowsocksは様々なサードパーティからサーバーを借りていて、各ユーザーの構成が異なるようにデザインされているため、中国のファイアウォールによってトラフィックを検出されにくくなります。サーバーレンタル会社は世界中でデータセンターを運営していて、そこからサーバーをレンタルできます。

「Outline」と呼ばれるアプリを利用すると、一部のサービスからサーバーを容易に借りて、Shadowsocksを利用してそのサーバーに接続できます。Outlineでは、DigitalOcean、Google Cloud、Amazon Lightsailからサーバーをレンタルするためのプロセスを自動化しています。容易にセットアップでき、費用対効果が高いことから、OutlineはDigitalOceanの使用を推奨しています。

こうしたサーバーレンタル会社は、アクティビティのプライバシーを守るためのノーログポリシー、ストリーミング用に最適化されたサーバー、超高速速度などのVPNの機能を提供していません。また、利用できるサーバーの数が非常に限られているため、技術的な問題が生じたり、IPアドレスがブロックされたりした場合、代替手段がありません。

Shadowsocksへの接続にはPrivate Internet Accessがお勧めです。Private Internet Accessには巨大なサーバーネットワークがあり、 35000 台以上の超高速サーバーを備えている他、技術的な問題が発生した場合に備えて様々なサポートがあります。また、Shadowsocksプロトコルを使用して接続するための独自の機能があり、レンタルサーバーよりも安い料金でVPNとShadowsocksの利点を同時に堪能できます。

セキュリティ – Shadowsocksには追加のセキュリティ機能がない

Shadowsocksを利用すると強力なファイアウォールを通過できますが、安全が保証されるわけではありません。VPNとは異なり、政府のフィルターを効果的に回避するためのデータ転送プロトコルであるHTTPSを使用してインターネットトラフィックを隠すことで、検閲を回避しています。

Outlineクライアントで、Shadowsocksを利用して容易に接続できますが、ノーログポリシーやデータを隠すための暗号化がないため、サーバーオペレーターやISPなどの外部者にオンラインアクティビティを知られる可能性があります。また、フィッシングメール、マルウェア、公衆 WiFiネットワーク上の詐欺などの一般的なオンラインの脅威に対しても脆弱になります。スパイやサイバー犯罪から身を守るには、優れたVPNが必要です。

プライバシー – Shadowsocksでは匿名性を確保できない可能性がある

Shadowsocksは検閲を回避することを主な目的として構築されていて、プライバシーや匿名性は優先されていません。プライバシーは主に、Shadowsocksで利用するサーバーによって左右されますが、強力な暗号化プロトコルを備えたサーバーをレンタルしたとしても、プライバシーを保護するには不十分である可能性があります。

Shadowsocks自体はログを保存しませんが、一部のサーバーレンタルサービスは、利用中にログを保存したり、外部のデータ会社と提携してプライバシーを危険にさらしたりする可能性があります。例えば、DigitalOceanはオンラインアクティビティを記録しないことを約束していますが、SolarWindsと提携してサーバーを分析していて、SolarWindsがハッキングされた際に、何百万人ものユーザー（DigitalOceanユーザーやアメリカ政府機関の職員を含む）のデータが侵害されました。データセキュリティを確保して悪意のある第三者から身を守るには、信頼性の高いノーログポリシーと強力な暗号化を備えたExpressVPNなどの優れたVPNを選びましょう 。

トレント – レンタルするサーバーによる

Shadowsocksには暗号化機能がありませんが、接続しているサーバーがトレントに対応している場合はトレントを利用できます。暗号化されないサーバーを利用すると、トレントの速度は従来型のVPNよりも速くなりますが、匿名性を確保できません。著作権法に違反する目的でトレントサイトを利用してはいけませんが、保護された素材を誤ってダウンロードしてしまった場合も、法的問題に巻き込まれる可能性があります。

トレントを安全に利用することを考えると、Shadowsocksの利用は避けることをお勧めします。 代わりに ExpressVPNなどの高速VPNが非常にお勧めで、トレント中に身元情報を保護でき、データを守れます。

Shadowsocksは中国で機能する！

Shadowsocksは、中国におけるインターネット検閲を回避するための信頼できるツールであることが実証されています。中国では、最近のVPNの取り締まりにより、確立された暗号化プロトコルを使用して強力なファイアウォールを回避できるのは、ごくわずかなツールのみです。残念ながら、中国の検閲当局はこうしたプロトコルを識別できる機械学習アルゴリズムを開発していることから、数多くのVPNがブロックされています。

VPNは新しい場所のサーバーを介してトラフィックを再ルーティングしますが、Shadowsocksはパソコンとプロキシサーバー間の接続を偽装します。Shadowsocksを利用するには、独自のプロキシサーバーをレンタル、購入、または作成する必要があるため、他のユーザーと構成が異なります。こうしたShadowsocksの非集中型システムでは、各接続が一意に見えるため、中国当局によってトラフィックが検出される可能性が低くなります。

中国当局がアクセスの制限を試みているにもかかわらず、Shadowsocksはそのオープンソースであることから、常に検閲を回避できます。一つのバージョンがブロックされた場合、誰でもそれを変更して新しいバージョンをリリースできます。中国に旅行する際に、オンラインアカウントにアクセスする必要がある場合、サーバーをレンタルし、Outlineなどのサードパーティのアプリを利用するのが最も効率的です。これによって、サーバーをShadowsocksに接続でき、公開されているWebサイトにアクセスできます。Outlineアプリは Webサイトから直接ダウンロード可能です。

Shadowsocks を利用すると、サウジアラビア、ロシア、UAEなどで制限されている Webサイトに容易にアクセスできます。こうした国では、未承認のVPNや検閲を回避するための回避ツールの利用は違法であることに注意してください。VPN や回避ツールで保護されても、法律を犯してよいわけではありません。

Shadowsocksでは、年中無休のライブチャット、メール、電話によるサポートはありませんが、高度な技術的な質問に対するオンラインガイドの大規模なアーカイブがあります。Shadowsocksはオープンソースなので、サポートに特化した広範なコミュニティがありますが、コミュニティや公式ガイドは専門家向けに書かれています。私は、高度な専門知識がなくても理解でき、わかりやすいソリューションを提供してくれるCyberGhostなどのVPNを好みます。

Shadowsocksではサポートが限られていて、セットアップが複雑なため、サポートを受けることが困難になる場合がありますが、LinuxなどのオープンソースのオペレーティングシステムやPythonなどのプログラミング言語を十分に理解していれば、問題なくShadowsocksクライアントをインストールして利用できます。